危機管理としての司法取引
2018年6月から、刑事訴訟法の改正により、「協議・合意制度」(いわゆる日本版司法取引)が導入されました。検察官と被疑者・被告人及びその弁護人が協議し、被疑者・被告人が「他人」の刑事事件の捜査・公判に協力するのと引換えに、自分の事件を不起訴または軽い求刑にしてもらうことなどを合意する制度です。
その目的は、組織的犯罪における首謀者の関与を含めた事案の全容解明に役立つ証拠を獲得することにあります。対象となる犯罪は、詐欺、背任、業務上横領、会社法違反、独占禁止法違反、金融商品取引法違反、租税法違反、贈収賄罪、外国公務員贈賄罪(不正競争防止法違反)などです。
企業の役職員がこれらの対象犯罪に関与している場合、当該企業は、両罰規定で起訴されることを避けるため、あるいはレピュテーションリスクを適切に管理するため、危機管理の一態様として、検察官と司法取引を行うことが有力な選択肢となります。
プロアクト法律事務所では、不祥事対応の危機管理におけるダメージコントロールの一態様として、役職員による対象犯罪が存在する可能性があるケースにおいて、以下のサービスを提供します。
具体的なサービス
1. 精度の高い社内調査の実施ないし支援
司法取引の対象となる犯罪が存在するか否かは、その後の経営判断の出発点となるため、精度の高い社内調査を実施する必要があります。具体的には、関係証拠の保全と収集、メールデータ等を対象とするデジタルフォレンジック調査の実施、関係者のヒアリングなどの調査手法を踏まえて、調査結果を調査報告書に取りまとめ、その後の経営判断の基礎にします。プロアクト法律事務所では、こうした精度の高い社内調査を自ら実施し、あるいは会社の社内調査を専門的観点から支援します。
※期間は1~3か月間、費用はタイムチャージ制が原則となります。
2. 経営者が司法取引を行うべきかどうかの助言、役員の善管注意義務に関する法律意見書の提供
精度の高い社内調査の結果を踏まえて、経営者として司法取引を行うかどうか、行うとしたときにどの役職員の免責・減刑を求めるかは、難易度の高い経営判断となり、役員の善管注意義務にも関わってきます。プロアクト法律事務所では、こうした経営判断に対する法的助言を行い、また役員の善管注意義務に関する法律意見書を提供します。
※期間は1~3か月間、費用はタイムチャージ制が原則となります。
3. 検察官との協議・合意による司法取引の成立
司法取引を行うこととした場合には、会社の代理人弁護士として、検察官との間で協議を行い、関係者の免責・減刑につながる合意の成立に尽力します。
※期間は1~6か月間、費用はタイムチャージ制が原則となります。
4. 日本版司法取引制度に関する社内研修の実施
日本版司法取引という新しい法制度の概要と実務運用について、社内研修を実施します。
※期間は1~3か月間、費用は定額制が原則となります。