金融機関等向けコンプライアンス・リスク管理態勢強化
金融庁は、2018年10月、「コンプライアンス・リスク管理に関する検査・監督の考え方と進め方(コンプライアンス・リスク管理基本方針)」を策定しました。
従来の金融機関や保険会社等の「コンプライアンス」は、①過度に詳細かつ厳格な社内規程の蓄積、形式的な法令違反の有無の確認、表面的な再発防止策の策定等の形式的な対応が何重にも積み重なり、いわゆる「コンプラ疲れ」が生じている、②発生した個別問題に対する事後的な対応に偏重している、③コンプライアンスの問題をビジネスモデル・経営戦略とは別の問題として位置づけ、コンプライアンスの対象を狭く捉え(「コンプライアンスのためのコンプライアンス」)、さらに、経営陣及び事業部門の役職員が、コンプライアンス・リスク管理を担う責任は自分自身にあるという主体的な意識を持たず、コンプライアンス部門・リスク管理部門等の管理部門中心のサイロ的・部分的な対応になっている、という指摘がありました。
そこで、同基本方針は、コンプライアンス・リスク管理を経営の根幹と位置付けた上で、“3 つの防衛線”によるリスク管理態勢を整備し、“リスクベース・アプローチ”によるコンプライアンス・リスク管理の推進を行うべきことを明確に求めました。
これは、前記のような従来型のトップダウン的な“コンプライアンス”に慣れ親しんだ金融機関等にとって、大きなパラダイム転換を求めるものとなっています。
プロアクト法律事務所は、リスクマネジメントや不祥事対応に特化した法律事務所として、金融機関等による“3つの防衛線”によるリスク管理態勢の整備、“リスクベース・アプローチ”によるコンプライアンス・リスク管理の推進の各支援を、「金融機関等向け コンプライアンス・リスク管理態勢強化」サービスとして提供しています。
具体的なサービス
1. コンプライアンス・リスク管理態勢の総合診断と強化策の立案(Plan)
社内規程や制度の状況、マニュアル等のハード面の総点検と、社内関係者のヒアリング等により、①体制・制度、②役職員の意識、③発見統制、それぞれの問題点を診断し、“3つの防衛線”及び“リスクベース・アプローチ”の観点から、これに対する処方箋となる各種制度設計や規程等の作成・改訂、研修の実施等を提案します。
2. 強化策実行支援・研修の実施(Do)
上記の提案を踏まえて決定された強化策の実行を支援します。また、役員、管理職、その他従業員等と階層に分けて必要な研修を実施します。 特に、事業部門(第1線)に対するリスクオーナーとしての自覚を促す研修や、第1 線に対して支援・牽制機能を担うコンプライアンス部門等の管理部門(第2線)に対する専門性強化のための研修等に力を入れます。
3. 運用状況チェック(Check)と問題点抽出・改善(Action)
コンプライアンス部門等と連携して制度の運用状況や、各強化策の効果を測定します。また、オーダーメイドの社内アンケートを実施するなどして、各強化策の浸透度や課題をあぶりだし、更なる強化・改善策を提案します。 また、必要に応じて、コンプライアンス委員会の外部委員に就任し、コンプライアンス・リスク管理態勢のPDCAサイクルに直接かつ継続的に関与します。
※期間は3~6か月程度、費用は月額制が原則となります。
※研修の実施、アンケートの作成・実施、内部通報窓口の担当等、個別の業務については、その内容や開催回数等に応じて別途お見積りをいたします。